子どもの権利条例

投稿者: imaeda

 反対意見もよく吟味する必要があるが、虐待や犯罪、事故や非行、貧困や病気から、子どもを守る効果が、たとえ僅かでも期待できるのであれば、基本的に前向きに考えてよいと思う。
 
裁判所、検察庁、弁護士と刑事事件をおおく手がけた仕事柄、事件や事故で亡くなった子どもたちの遺体を見る機会が多々あり、子供の命を失った親たちの、絶望的な声や涙、あるいは声にもならず涙もでない、ここで言葉でもあらわせないような悲惨な表情を見てくれば、どんな方法であろうとも、あらゆるものから、子どもを守る安全社会を、絶対に築きたいと心から思う。
 
私事だが、私の両親も、自身らの過失により私の妹を死なせており、私はその事故の陰を引きずった家庭で育った。
 
問題は、条例の中身と運用である。

私自身が長年所属している、広島弁護士会子どもの権利委員会との連携を密にし、すでに国が批准している子どもの権利条約と広島市の子どもの権利条例との趣旨を分かりやすく説明して、市民の理解と周知を得る努力をする。

 本来子どもの養育の責任は親にあることを大前提に、地域や学校などの環境の中でどのようにすれば、子どもが周囲と調和しながら伸び伸びと成長できるかという問題意識を示す。児童虐待や育児放棄、いじめなどの問題に対し、子どもの権利条例が効果を持ち得るか、あるいは子どもの権利条例を制定することによりどのような弊害が生じ得るかを、慎重に検討する。条例制定がどのような効果や影響を持ち得るかは、条例の内容のみならず、社会の受け止め方も考慮する必要がある。

 これらの検討のためには、家庭の実態、教育現場の実情、地域社会における子どもらの関わり合い、児童相談所、こども療養センター、児童館や公民館などの利用状況や課題等を調査し、子どもの権利条例が制定された場合の効果や影響を考察する。

 反対意見が危惧する問題点については、謙虚に聞き、十分に斟酌した上で検討し、場合によっては条項の変更・削除などの対応をしながら、市民の十分な理解と同意を得た上での子どもの権利条例制定を目指す。

 仮に市民の十分な理解と同意を得られないようであれば、そのような状況・環境において、市民らに趣旨を理解されていない条例の制定をなすこと自体が、大きな混乱を招きかねない社会的不利益なので、これ以上の紛糾や混乱、不安や不信を避けるため、条例制定にむけての期限を切ったり、制定自体を断念するなどの決断も考慮する。